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~アデランス産学連携~
第41回日本美容皮膚科学会総会・学術大会において
アデランスがスポンサードセミナーを共催
LEDの効用とそのエビデンスに関する研究成果を発表

2023年09月13日

 毛髪・美容・健康のウェルネス事業をグローバル展開する株式会社アデランス(本社:東京都品川区、代表取締役社長 津村 佳宏)は、2023年8月19日(土)~8月20日(日)に京王プラザホテル(東京都新宿区)にて開催された第41回日本美容皮膚科学会総会・学術大会において、アデランス共催のスポンサードセミナーでLEDの効用とそのエビデンスに関する研究成果の発表を行いました。

 会期中の8月20日(日)にアデランス共催のセミナー「LEDの美容皮膚科への応用:基礎と臨床」が実施され、大阪大学大学院医学系研究科 皮膚・毛髪再生医学寄附講座 特任教授の乾 重樹先生が講演し、浜松医科大学医学部 皮膚科学講座 准教授・病院教授の伊藤 泰介先生が座長を務めました。

■アデランス共催「スポンサードセミナー8」講演概要

座長
浜松医科大学医学部 皮膚科学講座 准教授・病院教授
伊藤 泰介先生

演者
大阪大学大学院医学系研究科 皮膚・毛髪再生医学 寄附講座 特任教授
乾 重樹先生

演題
LEDの美容皮膚科への応用:基礎と臨床

講演内容
 美容皮膚科領域では種々の目的でLEDが応用されつつある。今回は我々のデータを含めてその基礎と臨床を解説する。
 尋常性ざ瘡に対しては赤色および青色LEDを用いたランダム化比較試験(RCT)※1が報告されている。我々はその効果のメカニズムを、培養脂腺細胞を用いた実験で検索した。その結果、2.5J/cm²赤色LEDおよび1J/cm²青色LEDは細胞への照射72時間後その増殖を抑制した。Nile Red※2を用いた脂質産生への影響の検討では、1J/cm²青色LEDでは有意な変化はなかったが、2.5J/cm²赤色LEDは脂質合成を約50%抑制した。ざ瘡の形成にはアンドロゲンが働いているが、脂腺細胞にアンドロゲンを作用させるとIL-6※3の産生が増強される。そこで脂腺細胞が発現するIL-6に対するLED照射の影響を調べたところ、2.5J/cm²赤色LEDがその発現を低下させることが明らかとなった。赤色LEDは培養皮膚において過剰な角化を抑制することが報告されており、さらに他の青色光と同様に青色LEDはCポルフィリン※4から活性酸素を発生させ、C. acnes※5を殺菌することが報告されている。
 以上より赤色LEDと青色LEDは種々のメカニズムを介して協調的に働くことでざ瘡への効果を示すことが推測される。さらに皮膚のエイジングに対しても赤色LEDがコラーゲン合成低下や亢進したマトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)※6発現を抑制することにより、エイジング自体を改善していることが示唆されている。LED照射機器は低コスト、ポータブル性、低刺激性から、安全な美容治療機器となることが期待される。
(※1)ランダム化比較試験:対象の集団を無作為に2つ以上の群に分け、効果を検証する試験。
(※2)Nile Red:生体染色試薬(生体内の状態等を観察する際に、着色で用いられる試薬)のひとつ。中性脂質との親和性が高く、脂肪滴に取り込まれて蛍光を発する。
(※3)IL-6:免疫応答や炎症反応を引き起こすことで知られる、生体内の因子のひとつ。
(※4)ポルフィリン:ヘモグロビン、クロロフィル類などの色素部分を構成する化合物。生体内の酸化還元反応に重要な役割を果たすことで知られる。
(※5)C. acnes:アクネ菌。尋常性ざ瘡(ニキビ)を悪化させる要因のひとつと考えられている。
(※6)マトリックスメタロプロテアーゼ:細胞外表面タンパク質の分解や生理活性物質の活性化などに関与することで知られる、金属タンパク分解酵素の総称。

■日本美容皮膚科学会に関して
 美容皮膚科は皮膚科領域の中でも特に注目を集めている領域の1つで、日本美容皮膚科学会は「美容皮膚科学に関する研究及び、その研究成果の普及、ならびに会員相互の支援、交流、連絡等を主たる目的とする。」という活動目的のもと、年1回の学術大会の実施や、機関誌「Aesthetic Dermatology」を年間4号発刊し、2,800人に及ぶ学会員同士はもちろんのこと、関係諸機関の方々とも密接な連携を取ることで、患者様のQOLの向上につながるという視点で活動を続けています。
 第41回を迎える今回の学術大会は、「美容皮膚科を学ぶ!」をテーマに東京・新宿区で開催され、アデランスが本学会に共催するのは連続で7回目となります。

■株式会社アデランスに関して
 アデランスはトータルヘアソリューションにおけるリーディング企業の使命として、経営理念の一つである「最高の商品」の開発および毛髪関連業界の発展を目指し、機能性人工毛髪や医療用ウィッグの研究開発、育毛・ヘアスカルプケア関連研究、抗がん剤脱毛抑制研究など、産学連携でも毛髪関連の研究を積極的に取り組んでおります。
 その産学共同研究の成果を国内外の学会を通じて発信し、また、世界の研究者に研究成果を発表いただくことは、毛髪界の更なる進展となり、ひいては多くの方の髪の悩みの解消に寄与し、当社のCSR(企業の社会的責任)であると考えております。

学会名称:第41回日本美容皮膚科学会総会・学術大会
会期:2023年8月19日(土)~8月20日(日)
会場:京王プラザホテル(東京都新宿区)
会頭:東京医科大学茨城医療センター皮膚科 教授
   川内 康弘先生
※アデランス共催のスポンサードセミナーは、8月20日(日)に開催しました。

 
アデランス ホームページhttps://www.aderans.co.jp
アデランス CSRホームページhttps://www.aderans.co.jp/corporate/csr/
※掲載内容は発表日現在のものです。その後に内容が変更になる場合がありますので、あらかじめご了承ください。