「中学生のとき円形脱毛症になってしまって。でも、『愛のチャリティ』のおかげで、笑顔で学校に行けたんです。あのときは本当にありがとうございました!」
新入社員の面接には、ときどきこんな学生がやってきます。
自分と同じように苦しんでいる子をサポートしたい、そんな意欲的な若い人たちがアデランスに集まってきて、実際に現場で働いています。
『愛のチャリティ』は、1978年からアデランスがずっと続けている、病気やケガなどで髪がなくなってしまった子どもたちに、ウィッグを無償で届ける活動です。
この活動を知った高校生が取材に来たこともあります。全国高校放送コンテストで優秀賞を受賞した「髪の絆」というその作品をきっかけに、2015年からはヘアドネーションをしているNPO法人JHD&C(ジャーダック)への協力もはじまりました。
子どもたちのウィッグは、タイにあるアデランスの工場で一つひとつ手作業で製作しています。
鏡に映るウィッグを着けた姿を見て、うれしそうに笑う子どもたち。
我が子を見て思わず涙し、泣き笑いになる親御さんたち。
ときには、大変悲しいことですが、病気でお亡くなりになる場面に出会うこともあります。
だからこそ、もっと力になれないかと考えた社員から、「クリスマスでも病室にいる子どもたちを元気づけたい」という意見が出てきて、サンタやトナカイの姿に扮したアデランス社員たちが子どもたちの病室を訪れる「サンタ・スマイル活動」に発展しました。
さまざまな笑顔に直に触れること。強い使命感の源がここにあります。
クリスマスには、病院から家に帰れず淋しい思いをしている子どもたち
のために、サンタの格好で病室を訪れます(サンタ・スマイル活動)
取材・文/中山圭子