「フォンテーヌ緑の森キャンペーン」は、アデランスで10年以上続く環境への取り組みです。
不要ウィッグ回収時にクーポン券を発行し、その券を利用して新たなウィッグを購入してもらうと、売上げの一部を植樹活動の寄付にあてます。2009年の開始当初406平方メートルだった環境保存面積は、2018年度にはその50倍以上にふえました。

2017年からは日本全国に活動の範囲を広げています。
そのなかには、東日本大震災の津波到達地点に桜を植樹する「NPO法人さくら並木ネットワーク」とのコラボレーションや、「生物多様性保全上重要な里地里山」として環境省から選定される静岡県立森林公園のアカマツ林再生活動もあります。

こうした活動をアデランスでは、企業がはたすべき「社会的責任」と捉えています。
「余裕があるときだけやる」ボランティア活動では、責任をはたすとはいえません。これからもどんなときも、続けていかなくてはならないのです。
ですから、自社の強みを活かす活動をすること、活動を通して技術が向上し、商品であるウィッグなどに還元され、利益につながること。
そんなよい循環のシステムをつくることで、「笑顔をつくる仕事」は発展してきました。

このシステムもまた「笑顔」をもとに生まれました。「社員の笑顔」「お客様の笑顔」「地球上のすべての人の笑顔」この3つの笑顔が互いに共鳴し合うこと。
それがよい循環を生むために欠かせない条件なのです。

取材・文/中山圭子