女性型脱毛症について
女性型脱毛症とは
以前は閉経後以降(高齢)の女性に見られたのですが、近年は40歳前後の人にも散見されます。
男性型脱毛症とは異なります。
症状
症状は特徴的で、頭頂部を中心として毛の数が減り、細くなることです。男性のO型の部分ですが、軟毛化は見られません。頭頂部生え際はほとんど変化がなく、男性のようにM型になることはありません。髪の分け目を中心としてびまん性に薄くなることもあります。
女性は卵巣から女性ホルモンを、副腎から男性ホルモンを分泌しています。思春期を盛りに、女性の頭髪は成熟とともに細くなりますが、自覚する程ではありません。
しかし、40歳頃から女性ホルモンの分泌が徐々に減るため、相対的に男性ホルモンとのバランスが崩れて、頭頂部の毛の数が減り、細くなります。人によっては以前と比べて極端に毛の数が減少した状態になります。
分け目を中心とするびまん性脱毛。鉄欠乏性貧血を伴う。
出所:本田光芳(監)(2009)「新ヘア・サイエンス」公益社団法人 日本毛髪科学協会、p.110TGF-β1:トランスホーミング増殖因子β1
平均は0.062mmで、0.02mmの細い毛もあるが、男性型脱毛症の柔毛とは異なり長い硬毛である。
出所:本田光芳(監)(2009)「新ヘア・サイエンス」公益社団法人 日本毛髪科学協会、p.110
その他女性の薄毛、脱毛について
女性の中には年齢とともに前頭部が後退したり、髪全体が薄くなる人がいます。男性型脱毛症と違って原因が明確ではありません。女性型脱毛症を含め、びまん性脱毛、薄毛を訴える人を詳しく調べると毛数が少なく、細い毛(軟毛)が増えていて、伸びが遅いことがあります。それらの人は貧血気味であったり、検査の結果、甲状腺機能異常がみられることがあります。
出典:「新ヘア・サイエンス」 公益社団法人 日本毛髪科学協会