薄毛の基礎知識　薄毛になる人の傾向

実は女性も薄毛に悩んでいる？その数は年々増加傾向に

2020年1月22日

薄毛で悩む女性の数は男性より少ないものの、年々増加しています。更年期のホルモン分泌の乱れや、生理遅延剤の副作用による脱毛以外にも、現代人ならではのストレスの増加も女性の抜け毛の原因として考えられます。

■男性だけじゃない！薄毛の悩みは女性でも年々増加

そもそも髪の成長と抜け毛には、ホルモンの分泌が大きな影響を与えています。女性ホルモンは髪の成長を促進し、男性ホルモンは逆に脱毛の要因となります。

シニアの男性に多く見られる、頭皮から全体的に髪が抜け落ちる、いわゆる丸坊主の頭に近い状態は、女性の場合だと内臓の疾患や特殊な治療で起こる以外はほとんど見られません。

また、髪の成長率も女性の方が早いとされていることからも、数的にいえば薄毛で悩む人は女性よりも圧倒的に男性に多いのは事実です。ただし、男性よりは少ないものの、薄毛に悩む女性の数は年々増加している傾向が見られます。

女性の薄毛の特徴として、「びまん性脱毛症」があります。これは、生え際だけでなく、頭髪全体が薄くなる脱毛症の総称です。脱毛の境界が曖昧なのも特徴のひとつとされています。

このびまん性脱毛症には、大別すると「FAGA（女性の男性型脱毛症）」と「休止期脱毛症」の2つあります。

「FAGA（女性の男性型脱毛症）」は、薄毛が気になる女性の約半数が悩んでいると言われる症状です。確かな原因が解明されているわけではないですが、原因の一つとして、歳を取るにつれて男性ホルモンより女性ホルモンの分泌量が少なくなることで発症するとされています。

症状としては、生え際から後頭部にかけて抜け毛が増えて毛髪が軟毛化することで、地肌が透けて見えるようになることが挙げられます。また、場合によっては全体的に脱毛が進むこともあります。

「休止期脱毛症」の特徴は短い軟毛ではなく、長い硬毛が頭部全体から抜けるところにあります。こちらも特定の原因は解明されておらず、精神的ストレスや疲労、過度のダイエット、加齢、甲状腺疾患や貧血、常備薬による副作用などが要因として考えられています。

「FAGA」「休止期脱毛症」共に原因が特定しきれていないため、対策が取りにくいものです。しかし、ストレスをためない、バランスのいい食事を取る、良質な睡眠を取るなど、生活習慣を見直すことで改善する場合もあります。

女性の薄毛症状は以前から存在しており、更年期のホルモン分泌の乱れが原因で抜け毛が増える場合があります。経口避妊薬（ピル）や生理遅延剤の服用など女性特有の原因もあります。

しかし、ここ数年増え続けている女性の薄毛は、従来とは別の原因が多いようです。

まず考えられるのは、現代人に特有なストレスの増加です。満員電車に揺られて通勤し、不本意な仕事や異動、転勤、職場の人間関係に頭を悩ませられたしわ寄せが髪に現れたのでしょう。

日々感じているストレスは血行不良を及ぼします。私たちは自律神経によって血行をコントロールしており、強いストレスを受けると、自律神経に乱れが生じたり、筋肉が緊張することで、血管の収縮を引き起こしたりすると知られています。血管が収縮すると血流が減少して、次第に血行が悪くなっていきます。

また、ストレスはホルモンバランスが乱れる要因にもなります。加齢による緩やかな女性ホルモンの減少と比べ、急激な分泌量の減少ではバランスが大きく崩れる原因になります。

では、なぜストレスによって抜け毛が増えるのでしょうか。私たちの毛髪を作っている毛母細胞は、毛乳頭と呼ばれる部分が毛細血管から栄養を受け取る活動しているため、髪が抜けても再び生えてきます。

ストレスで自律神経が緊張し、血管の収縮が起こると、細胞(毛乳頭)に十分な栄養を送ることができなくなってしまいます。すると、抜け毛や新たに生えてくる毛髪が弱くなり、薄毛の原因になります。

ダイエットや茶髪の流行も、脱毛に無関係とはいえません。美しくなりたいという願望から始めたことが女性の美の象徴ともいえる髪を奪う場合もあります。

ダイエットは栄養不足を、ヘアカラーはダメージヘアを引き起こすこともあるのです。

女性の薄毛は原因の明確でない脱毛も多々あり、対処に時間がかかることもあります。とはいえ、いざとなったら開き直れる男性に比べて、女性の薄毛の悩みは深刻です。

現代社会では、「女性は薄毛にならない」との思い込みも俗説となりつつあります。女性も髪のおしゃれだけではなく、脱毛予防を含めたヘアケアを心がける必要があるでしょう。

こちらのページでは女性向けの抜け毛対策方法について解説しております。興味がある方はチェックしてみてください。

初回記事公開日：2015年8月4日