病的脱毛症とは?代表的な種類

2018年9月11日

目次:

■代表的な脱毛症にはどんな症状がある?

■円形脱毛症になる原因とは?

■内服薬や外用薬は効果がある?脱毛症の改善方法



個人差がありますが、誰でも1日に50〜80本、多い人で100本ぐらいは髪が抜け、新たに髪が生えてきます。それが正常なヘアサイクルなのですが、まとめて毛が抜け、短期間に髪が薄くなったと感じる場合には、病的な脱毛症を疑うべきです。ここではどんな脱毛症があるのか、代表的な脱毛症の症状や種類、改善方法をご紹介しましょう。


■代表的な脱毛症にはどんな症状がある?


代表的な脱毛症と知られているのは、「壮年性脱毛症」「男性型脱毛症(AGA)」「円形脱毛症」「脂漏性湿疹」「抜毛症」の5つです。


男性ホルモンが、毛髪を作っている細胞に強く作用することによって、毛が抜けてしまう症状を男性型脱毛症と言いますが、この男性型脱毛症を壮年期(およそ25〜44歳くらい)に発症した場合には、「壮年性脱毛症」と呼ばれることがあります。なお、男性型脱毛症はAGAと略され、近年、テレビコマーシャルなどで、治療の必要性が訴えられているため、ご存じの方も多いのではないでしょうか?


続いて、円形脱毛症は、ある日突然、円形に毛が抜ける病気のことです。男性だけではなく女性や、若者、年配者にも起こることが知られており、ある日突然髪が抜けはじめ、進行速度も非常に速いのが特徴です。


そのため、異変に気付いたら、早めに専門医の診察を受けることが大切です。はっきりとした原因は未だにわかっておらず、ストレスや自律神経失調症、アトピーなどを原因として疑う説もありますが、近年はとくに毛根の細胞を異物とみなし、体が自然に排除してしまうからだという自己免疫説が有力視されています。


脂漏性湿疹は、男性ホルモンの影響などにより皮脂の分泌が増え、頭皮にマラセチアといった常在菌が増殖することで、フケ症や脂漏性皮膚炎を起こし、脱毛に至る症状を指します。


また真の脱毛症ではありませんが、抜毛症という症状もあります。こちらは抜毛癖のようなもので、無意識に毛を抜いたり、千切ったりしてしまうことで毛髪が薄くなることを指します。子どもに多い病気とされ、あくまで指しゃぶりなどと同じように無意識に行うクセの場合もあれば、強いストレスが原因のケースもあります。


そのほかヘアカーラーで髪を強くセットしすぎるケースや、ポニーテールのような髪を強く引っ張る髪型を長期間続けることで生え際や分け目などが薄くなる牽引性脱毛症や、ダイエットによる脱毛症もあります。


■円形脱毛症になる原因とは?



続いて、数ある脱毛症の中でも、比較的ポピュラーな円形脱毛症になる原因をご紹介します。


円形脱毛症による薄毛は、男性ホルモンの影響が大きい「男性型脱毛症(AGA)」とは異なり、ストレスや環境変化などが大きな原因とされています。強烈なストレスを受けると身体はこれに抵抗するように体内の免疫機能を発動します。それが髪に対して攻撃的に働いてしまうことで、髪が抜けると言われています。


また、円形脱毛症は、偏った食事や生活習慣の乱れが影響を及ぼすと考えられています。


■内服薬や外用薬は効果がある?脱毛症の改善方法


脱毛症になってしまった場合、内服薬や外用薬による治療を行うこともあるのでしょうか?


もし、男性型脱毛症(AGA)と診断されると、内服薬や外用薬を用いて治療していくことがあります。内服薬としては「フィナステリド」という成分を含んだ医薬品を使用するのが、一般的です。フィナステリドには、男性ホルモンを薄毛の原因であるDHTに変化させる5αリダクターゼという酵素を抑制して、脱毛を防ぐ働きがあります。フィナステリドは妊娠した場合の胎児への影響を懸念して、男性にのみ使用が認められています。


一方で外用薬では髪の毛の成長や発毛を促す効果があるという「ミノキシジル」を配合した医薬品を使用するのが一般的です。ミノキシジルは髪に有益な成長因子の働きを高めることで、髪が成長するのを助けると言われています。また、フィナステリドには薄毛の進行を抑える効果が、ミノキシジルには発毛促進の効果があり、両者を併用して治療することもあります。いずれにせよまずは病院や専門の医療機関で医師の診断を受けましょう。


内服薬や外用薬はすぐに効果が現れるものではなく、たとえばフィナステリドは定期的に服用していても、6ヶ月程度はかかると言われています。したがって、薄毛が気になる人は、ウィッグを使用しながら、治療を行うと良いでしょう。


薄毛というと、遺伝や生活習慣の乱れによるもので、ある程度は仕方がないと諦めてしまう人がいます。ですが、治療が可能な病的な脱毛症もあります。したがって、一度、病院や専門の医療機関で診察してもらい、必要なら内服薬や外用薬で治療を行いましょう。症状が劇的に改善することもあります。


記事初回公開日: 2015年6月25日

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