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生え際の後退が目立ってきた?チェック方法と対策

目次:

1.今すぐできる!生え際後退のチェック項目3つ

 1.1 鏡の前でおでこの広さをチェック

 1.2 頭皮を触ってチェック

 1.3健康か不健康か?抜け毛でチェック

2.「前髪が薄毛になってしまう…」生え際が後退する原因とは

 2.1 男性ホルモンは「遺伝」が関係?

 2.2 こりによる血行不良

 2.3 不規則な生活と食事は要注意

3.知っておきたいAGAの初期症状と進行段階

 3.1 AGAの初期症状とは

 3.2 AGAが進むとどうなる?

 3.3 AGAのチェック方法

 3.4 女性のAGAについて

4.今からでも遅くはない!生え際の後退の対策4選

 4.1 自宅での対策「育毛剤」

 4.2 不安を解消!病院での治療もひとつ

 4.3 自然さを追求する方におすすめの「植毛」

 4.4 即効性抜群!「増毛法」

5.生え際の後退は対処可能


「最近自分のおでこが広くなった気がする…」「生え際が後退してきたかもしれない…」「前髪が薄くなってきている…」そんな悩みを抱えている人もいるのではないでしょうか。

自分の生え際の後退が気になりはじめたら、まずはこちらをチェックしてみてください。後回しにしてしまうと、いつの間にか後退がかなり進行していた…なんてことになりかねません。

生え際後退はサインに早く気づき対策することが肝心です。今回は生え際後退のチェック項目や原因、その対策方法をご紹介します。

1.今すぐできる!生え際後退のチェック項目3つ

生え際の後退を感じたら不安に思う方もいるかもしれません。まずは本当に生え際が後退しているのか確かめてみましょう。費用や時間をかけずに簡単に行える生え際後退チェックの方法を3つご紹介します。

1.1 鏡の前でおでこの広さをチェック

はじめに目視でおでこの広さを確認しましょう。手順は以下の通りです。

①鏡の前でおでこがしっかり見えるように前髪をかきあげる。

②空いている片方の手の人差し指、中指、薬指の三本揃えておでこにくっつけ、薬指が眉毛の上にくるように置く。

③人差し指と生え際の隙間を確認する。

この時、人差し指と生え際の間に隙間がなければ、今のところ生え際の後退を心配する必要はないでしょう。一方で、隙間がある場合には生え際が後退している可能性があります。
おでこの広さは一人一人違うので、あくまでも目安として考え、これを定期的に行うようにしてください。

1.2 頭皮を触ってチェック

実際に頭皮を触って生え際が後退する傾向にないかチェックしてみましょう。生え際が後退する原因の一つとして、頭皮が突っ張って血行状態が悪いことが考えられるためです。

指の腹で頭皮に触れ、頭皮の肌を前後左右に動かしてみてください。この時、頭皮が軽く動いていれば柔らかく健康な状態と言えますが、頭皮が動きにくい状態であれば、頭皮が硬くなっていて血行にも影響があるかもしれません。

1.3 健康か不健康か?抜け毛でチェック

普段、抜け毛を観察することはありますか?自然に抜けた毛で髪の毛の健康状態を見てみましょう。

人間は1日に100本ほどの髪の毛が抜け落ちると言われています。健康的な髪であれば、毛根はふっくらとしていますが、毛根がなかったり、細かったり、白くなっている場合や細くて短い髪が抜けている場合は不健康な毛根になっている可能性があります。
抜けた毛の1、2本がそうなっている分には問題ありませんが、それより多い場合は、脱毛が始まっている可能性も。生え際が後退するサインとして髪の毛の健康状態を気にかけてみてください。

2.「前髪が薄毛になってしまう…」生え際が後退する原因とは

最も考えられる原因としてAGA(男性型脱毛症)が挙げられます。前頭部の生え際やつむじから薄毛の部分が広がっていく脱毛は、AGAであることがほとんどです。薄毛に悩む人なら一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。

AGAの原因は遺伝が関与する男性ホルモンの影響ですが、それ以外では頭部の血行不良や不規則な生活により抜け毛や薄毛を引き起こすとも考えられています。

2.1 男性ホルモンは「遺伝」が関係?

体内で生成される男性ホルモンの一種であるテストステロンが、5-αリダクターゼによってジヒドロテストステロン(DHT)というより影響力の強いホルモンに変化してしまいます。これに髪の細胞が反応することで髪の成長が衰え、薄毛が起こります。
この5-αリダクターゼがどのくらいテストステロンに作用するのか、作用の強さは遺伝によって引き継がれる1)とも言われています。

AGAによる薄毛は、遺伝が関与する男性ホルモンの影響を受けることにより引き起こされると考えられますが、だからと言って諦めることはありません。対策を取ることで、AGAによる見た目の変化を目立ちにくくすることも可能ですのでご安心ください。

2.2 こりによる血行不良

細胞の働きを活性化させるために必要な栄養を運ぶ血液の流れが良くないと、十分な栄養が行き届かなくなる可能性があります。そして、十分な栄養が頭部に届かないと髪の成長を妨げたり、健康な髪の毛が生えたりすることが難しくなることも考えられます。
前頭部はこりによってより血行不良を引き起こしやすい部分とされているので、頭皮マッサージを行うなど普段から血行を促すよう心がけてみてください。

詳しい頭皮マッサージの方法はこちらの記事から。

2.3 不規則な生活と食事は要注意

夜更かしや偏った食事など、生活が不規則な方も多いのではないでしょうか。乱れた生活は健康な髪の成長を妨げてしまいます。

①運動不足

一見、関係ないように思われますが、運動不足は薄毛や抜け毛の要因の一つだと言われています。運動不足になると筋肉が凝り固まり血行不良につながるかもしれません。せっかく十分な栄養を摂ってもその栄養が頭皮に届かなければ意味がありません。軽いストレッチを日課にするといった、気軽に取り組めることからはじめてみてはいかがでしょうか。

②睡眠不足

毎日しっかり睡眠はとれているでしょうか。睡眠不足になると健康な髪の毛が作られなくなる恐れがあります。それは髪を作る成長ホルモンが睡眠中、特に眠りが深くなった時に多く分泌されるためです。成長ホルモンの分泌量が最も多くなる22時から2時の間に睡眠をとることを意識しましょう。

③食生活

脂っこい食事やコンビニ弁当、ファストフードなど加工度合いの多い食事ばかりしていると栄養不足になってしまい、生え際が後退する原因になりかねません。髪を育てるには、「タンパク質」「ミネラル」「亜鉛」などを摂ると良いと言われています。これらの髪の成長に必要な栄養素をバランスよく摂ることが必要不可欠です。

[文献]
1)音田正光,2024,「【ジヒドロテストステロン(DHT)とは?】AGAの薄毛を改善する画期的な治療法も解説」,自毛植毛の親和クリニック新宿院,(2024年10月17日取得,https://shinwa-shinjuku.jp/drcolumn/49/).

3.知っておきたいAGAの初期症状と進行段階

日本皮膚科学会(2017)によると、AGA(男性型脱毛症)は日本人男性の約3人に1人が発症する2)と言われています。最近、抜け毛が増えた、前髪が薄くなってきたと感じたらAGAを疑ってみても良いかもしれません。生え際の後退や前髪の薄毛の主な原因でもあるAGAについて詳しくご紹介します。

3.1 AGAの初期症状とは

洗髪時やブラッシングの際に太い毛がたくさん抜けている、以前と比べて生えてくる髪の毛が細くなった気がする、これらがAGAの初期症状の例です。
髪の毛には髪が成長した後、古い毛は抜けて次に新しい毛が生えてくる「ヘアサイクル」があります。しかし、男性ホルモンの一種であるジヒドロテストステロン(DHT)がヘアサイクルに影響を与えてしまい成長期が極端に短くなってしまうのです。

それにより、ヘアサイクルが正常な人と比べ早く退行期や休止期に入るため抜け毛が多くなったり、髪が十分に成長できないため薄毛になったりすると言われています。

3.2 AGAが進むとどうなる?

AGAが進むと産毛のような柔らかく細い毛だけとなり、地肌が見えるようになってきて、次第に生え際が後退していく(M型)のが特徴の一つです。さらに、後頭部を中心に薄くなる(O型)場合や、前側頭部と後頭部の両方で薄毛になる(混合型)場合もあります。

頭皮をみてみると男性ホルモンの影響によって髪を包んでいる毛包という組織が縮小し、毛穴に皮脂や汚れが溜まるため脂っぽくなったり、湿ったフケが細菌の栄養分となりニオイが気になったりするといった症状も見られます。

3.3 AGAのチェック方法

AGAかどうか確認する方法として、1日で髪の毛が抜ける量に注目してください。正常時では1日100本ほどの抜け毛ですが、200本から300本ほど抜け毛があったら一度医師に相談をしてみましょう。抜け毛の量そのもの以外にも、抜けた髪の毛全体の中に細くて短い髪が占める割合が多い場合も、要注意です。

しかし、抜けた髪の毛を一本一本数えるのは大変ですので、日々の中で抜け毛の量が増えていないかチェックするだけでも構いません。また、一気にたくさんの髪の毛が抜ける場合AGA以外の脱毛症の可能性もありますので、一度医師へ相談することをおすすめします。

3.4 女性のAGAについて

写真出所:本田光芳(監)(2009)「新ヘア・サイエンス」公益社団法人日本毛髪科学協会、p.110

AGAは女性でも発症することがあります。それはFAGA(女性の男性型脱毛症:女性型脱毛症)と呼ばれ、閉経を迎えるなど年齢を重ねると女性ホルモンが減少し、相対的に男性ホルモンとのバランスが崩れて引き起こされます。

男性とは異なり、症状は頭頂部を中心として薄毛が広がるのが特徴です。そのため、分け目が目立つようになります。一方で生え際は変化が見られず、男性のようにM型になることはほとんどありません。

女性で生え際が後退してきた場合、FAGA以外の他の要因が隠れている可能性があります。「前髪が薄くなってきた?」と感じたら、こちらを参考にしてみてください。

[文献]
2)男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン作成委員会,2017,「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017年版」『日本皮膚科学会雑誌』127(13): 2763-2777,(2024年10月2日取得,https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/AGA_GL2017.pdf).

4.今からでも遅くはない!生え際の後退の対策4選

生え際後退のチェック項目と原因をお伝えしてきましたが、「チェックに当てはまっていたらどうしたらいいの…」なんて思う方も多いかもしれません。生え際の後退を不安に思う方にそれぞれの対策法をご紹介します。

4.1 自宅での対策「育毛剤」

自宅でできる対策として挙げられるのが育毛剤です。育毛剤には育毛、薄毛、かゆみ、脱毛の予防、毛生促進、発毛促進、ふけ、病後・産後の脱毛、養毛の効果があるとされているため、生え際後退を食い止めるのに効果的とされています。

育毛剤の効果を実感するには、継続して使用することが大切です。個人差はありますが、効果が見られるのは平均して3カ月以上とされています。仮に期待した効果が感じられなかったとしても、使用開始から生え際の後退が進行していなければ効果があると言えるでしょう。

4.2 不安を解消!病院での治療もひとつ

育毛剤では効果が見られない、より効果のある薬を希望するという方には病院での治療をおすすめします。

現在ではフィナステリドの服用やミノキシジルの外用といった治療法があります。しかし、必ずしも全ての人に効果的とは言えないため、自分に合うかどうか一度医師に相談してみてください。

専門病院では、問診や視診、触診による診察を行い、医師が処方した薬の効果判定を行います。定期的に血液検査や血圧測定を行い、薬の副作用の検査を行うため、安全性が高く、きめ細やかな診察によってより発毛効果を高めることができると言われています。

時間や費用はかかりますが、安全性を重要視される方には病院での治療がおすすめです。

4.3 自然さを追求する方におすすめの「植毛」

後退した生え際をより自然に回復させたいという方には、植毛が適しているでしょう。植毛とは、頭皮に毛髪を植え込む施術法で、自毛植毛と人工毛植毛の2種類に分けられます。

・自毛植毛

自分の髪を頭皮に移植する手術です。植毛した毛髪の定着や発毛の効果を感じるまでに時間がかかることや費用が高いことを懸念される方はいますが、自分の髪の毛を使用することで自然に見せることができる、髪の定着後はメンテナンスの必要がないといったメリットがあります。

上記画像はアデランスグループ米国ボズレー社の場合

・人工毛植毛

合成繊維でできた人工毛を植え込む手術です。拒絶反応や頭皮の炎症、細菌感染などの副作用がおこる可能性はありますが、広範囲の植毛が可能で施術時間が短く、すぐに毛髪を増やしたいという方の選択肢となりえます。

また、クリニック選びも重要となりますので、医師の手術経験や保証の有無など調べてから植毛を選択するほうがいいと考えられます。

4.4 即効性抜群!「増毛法」

生え際の後退を素早く対処したいという方には、増毛法がおすすめです。増毛法には、結毛式増毛法と接着式増毛法があり、それぞれ特徴が異なります。

・結毛式増毛法

結毛式増毛法とは、自分の髪に人工毛を直接結び付けることで、ボリュームアップできる方法です。自然な仕上がりや段階的な増毛、傷が残らないというメリットがあります。ただ、自毛は伸びますので、定期的にサロンでメンテナンスをしてもらうと良いでしょう。

・接着式増毛法

接着式増毛法は、人工毛が植毛された特殊な薄いシートを頭皮に直接貼り付ける増毛法です。貼り付けたシートが剥がれるまで、大きなメンテナンスは必要ありません。生え際の薄毛がかなり進行している方や、短時間で施術してほしい方におすすめです。

増毛法はすぐに効果を感じられます。ご自身の生え際の薄毛の進行状況や頭皮の状態に合わせて選択できるのもメリットだと言えます。

5.生え際の後退は対処可能

生え際が後退し始めたから手遅れということはありません。適切な対処法で薄毛や抜け毛に対する不安を減らすことができるでしょう。

それでもどのような対処法を選べばいいか分からないという方や自分の髪や頭皮がどのような状態か知りたいという方におすすめの「ヘアリサーチ(ヘアチェック)」。髪の専門家である毛髪診断士®があなたのお悩みに合わせてアドバイスしますのでお気軽にご相談ください。

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