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抜け毛・薄毛対策の一つに植毛があります。植毛は髪を増やせる治療法で、自毛植毛の場合、特別な手入れなどは不要で、増毛を意識することなく生活できる ことで知られます。
一方で、植毛のための手術をしなければいけなかったり、費用などの面で 、植毛に対して不安を感じている方も多いでしょう。
この記事では、植毛について、特徴やメリット・デメリットを詳しく解説します。植毛クリニックを選ぶポイントも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
1.植毛とは?種類や特徴について
植毛とは、薄毛の気になる部分の頭皮に毛を植え込む方法です。増毛や育毛とは違い、医療行為に当たるため、専門の医療機関で手術を受ける必要があります。
植毛は、合成繊維で作られた人工毛を植え込む「人工毛植毛」と、自分の髪を移植する「自毛植毛」の2種類に分けられます。それぞれの違いを確認しましょう。
1.1人工毛植毛とは
人工毛植毛とは、ポリエステルやナイロンといった合成繊維でできた人工毛を頭皮に埋め込む方法です。植毛針という専門器具を用いて手術します。人工毛を使うため、毛の本数や長さを自由に決められ、施術直後になりたい髪型になれることがメリットです。
しかし、身体にとって異物を埋め込むため、拒絶反応や炎症、感染症などの副作用を引き起こす可能性があります。人工毛は抜けると新しく生えることがないため、定期的なメンテナンスが必要です。
日本皮膚科学会による脱毛症診療ガイドラインでは、「人工毛植毛術を施行することに医療法上の問題はないが,有害事象の発生を看過できないため,安全性に関する高い水準の根拠が得られるまでは,原則として人工毛植毛術を行うべきではない」としています。(※1)
植毛と増毛、どちらの選択が最適?【種類別のメリットデメリット】
1.2自毛植毛とは
自毛植毛とは、自分の髪の毛を薄毛部分に移植する方法です。男性ホルモンの影響を受けにくいとされる後頭部などの毛髪を頭皮ごと切り取り、細かく株分けしてから移植することで増毛をします。
自毛植毛は、自分自身の髪で移植するため、身体の拒絶反応などが起こりにくいとされます。移植部分で髪が生えて、伸び、抜けるというサイクルを繰り返すために、髪の定着後は定期的なメンテナンスが不要になることも大きなメリットでしょう。
一方で手術後、発毛の効果を感じるまで約半年から1年と時間がかかることがあるといわれています。また、移植に使うための髪の量に限度があるため、広範囲のカバーが困難であることをデメリットとして感じる方もいるでしょう。
植毛と増毛、どちらの選択が最適?【種類別のメリットデメリット】
2.植毛を行うメリットとデメリット
自毛植毛が現在の主流ですが、植毛を行うメリットとデメリットを整理しましょう。
植毛のメリットは、自分の髪を使って気になる部分をカバーできることです。自分の髪を使う自毛植毛では、手術後の髪は定着してしまえば自分の髪として伸び続け、特別なメンテナンスの必要がありません。
一方デメリットは、効果を実感するまでに時間がかかることや、増毛量に限度があること、保険適用外の医療処置のため、費用が高額になる場合があること、手術の方法によっては今の髪を手術時に短髪にする必要があることなどがあります。また、頭皮に傷痕が薄く残る場合もあり、手術直後は安静が必要です。
3.植毛にかかる値段はいくら?相場についてご紹介
植毛は、自分の髪で気になる部分をカバーできる魅力的な治療法ですが、高額な費用がかかることでも知られています。植毛の種類や範囲によって費用は変動しますが、相場はおおよそ50万円~数百万円です。
一般的な費用の内訳は以下2項目となります。
- 基本治療費
- 1株あたりの料金×株数
植毛は髪の本数ではなく、移植する「毛包」の数で費用を計算します。毛包1株(1グラフト)から1~3本の毛が生えており、500株から最大上限2,500株の間で移植を行います。1株の単価は植毛の方法により異なりますが、上限まで移植する場合は数百万円の費用が必要となるでしょう。
また、事後経過を確認するために、手術後に数度の通院が必要とされる場合もあります。
3.1植毛の保険適用について
植毛は医療行為のため、必ず免許を持った医師が施術を行います。高額な費用が発生する原因となるのが、植毛が自由診療であることです。美容整形などと同じく、見た目の改善治療となるため、健康保険が効かず全額自己負担になります。
4.植毛クリニックを選ぶポイント
植毛は医療行為のため、クリニック選びも重要です。手術を行うこと、高額な費用を払うことを鑑みると、信頼できるドクターに相談したいと考える方も少なくないのではないでしょうか。
安心して相談できるクリニックを選ぶためのポイントは、「経験値」「保証の有無」「カウンセリング」の3つです。この3つのポイントにおいて、信頼に値するクリニック、ドクターを選びましょう。
4.1どのくらい経験があるのか調べる
クリニックの開業歴や、ホームページなどで公表されている医師の経歴、症例、実績などを調べることがおすすめです。植毛は細やかな技術を必要とするため、何十年と経験を積んでいる医師を選ぶと安心でしょう。
- クリニックの開業歴
- 医師の学歴
- 医師の経歴(在籍したクリニックや病院など)
- 医師が発表した論文
- クリニックの症例・実績
以上について確認をして、数件のクリニックを候補にすると良いでしょう。
4.2保証があるか確認
植毛の施術後、保証やアフターケアがあるクリニックを選ぶと安心です。
- 施術後の診察・相談が無料
- 効果が出なかった場合の再手術の費用を保証
- 効果が出なかった場合全額返金
施術後に返金や再手術などの保証やアフターケアを設けているクリニックもあります。保証内容はクリニックによって異なるため、施術後に自分が安心して過ごせる内容の保証を選びましょう。
4.3必ずカウンセリングを受ける
「経験値」と「保証」の内容を確認して、いくつかクリニックをピックアップしたら、必ずカウンセリングを受けましょう。クリニックによっては、カウンセリングで薄毛の症状や予算に合わせた施術方法の提案を受けられるところもあります。
複数のクリニックでカウンセリングを受け、提案の内容や費用が納得できるクリニックを選ぶことが重要です。治療は長期に及ぶ可能性があるため、相性の良さも確認しましょう。
5.植毛に不安がある方は増毛の選択肢も!
植毛は移植した髪が定着すればメンテナンスが不要になる可能性もあるため、日々が快適になるでしょう。しかし、医療技術の発達で気付かれにくくなったものの、頭皮に傷が残るなどの不安やハードルがまだ高いなと感じている方は、まずは増毛から始めてみるという選択肢もあります。増毛は、人工の髪を結びつけたり、人工毛が植え付けられた特殊シートを頭皮に貼り付けたりすることで、髪をすぐに増やす方法です。植毛より安く、手軽に始められるため、増毛も合わせてチェックしてみてはいかがでしょうか。
出典:(※1)日本皮膚科学会、男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版、2017年、p.2771
記事初回公開日:2017年1月27日