カミわざ

男性型脱毛症(AGA)の原因とは?男性の薄毛対策を解説

目次:

1.男性型脱毛症(AGA)とは

2.科学的に解明されている男性型脱毛症の要因

3.男性型脱毛症ではない薄毛の要因

4.薄毛の予防と対策

5.薄毛に関する噂の真偽

6.薄毛で悩んだらまずは相談!


「抜け毛が増えた」「分け目が目立つ」「髪が減ってきた」など薄毛を気にされる方は多いと思います。薄毛の要因としてもっとも有名なのは男性型脱毛症(AGA)と言えます。
しかし、薄毛の要因はさまざまで科学的に解明されていないことも多くありますが、それらは男性型脱毛症(AGA)とは別の要因であり、対策も異なります。

そこでまずは男性型脱毛症(AGA)を理解したうえで薄毛対策を講じることが必要と思われます。


1.男性型脱毛症(AGA)とは

日本皮膚科学会の「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017年版」によれば、男性型脱毛症(AGA)の定義は以下のとおり記載されています。

「男性型脱毛症とは、毛周期を繰り返す過程で成長期が短くなり、休止期にとどまる毛包が多くなることを病態の基盤とし、臨床的には前頭部や頭頂部の頭髪が、軟毛化して細く短くなり、最終的には頭髪が皮表に現れなくなる現象である。(※1)」

つまり髪の毛の成長期が短くなり、休止期や退行期の髪の毛が増えるため、徐々に太い髪の毛が減っていく状態で、前頭部や頭頂部などにおいて起きることといえます。

抜け毛や薄毛、男性型脱毛症の原因|進化する育毛技術(1/6)| カミわざ

2.科学的に解明されている男性型脱毛症の要因

科学的に解明されている男性型脱毛症(AGA)の要因は、主に以下の2つです。

これらの要因そのものは改善するのは困難で、特に遺伝においては自力で対処するのは難しいでしょう。ただし科学的根拠のある要因とはいえ、必ず遺伝するとは限りません。家系に男性型脱毛症がみられるからと言って、100%発症しているとも言い切れないのです。

遺伝については母方の影響を受けることが多いとされており、母方の祖父が男性型脱毛症であった場合は、遺伝傾向は強いと言われています。

2.1遺伝

男性型脱毛症は遺伝によりその素因を受け継ぎます。父や母に男性型脱毛症がみられなくとも、その前の代である祖父母からの隔世遺伝の場合もあります。

男性型脱毛症(AGA)に大きく影響する、体内の男性ホルモンや酵素の活性度合い、ホルモン受容体感受性などが遺伝によって引き継がれることが分かってきています。

2.2男性ホルモンの影響

筋肉や骨がたくましい男性特有の体つきは、「テストステロン」という男性ホルモンの作用によるものです。「テストステロン」が特定の酵素によってさらに強力な男性ホルモン「DHT」に変換されたものが、毛包のホルモン受容体(各ホルモンに対する受け皿のようなもの)「アンドロゲンレセプター」に結合することで抜毛の要因となります。

男性型脱毛症のメカニズムは以下のとおりです。

  1. 男性ホルモン「テストステロン」が酵素の一種「5αリダクターゼ」の影響を受けて男性ホルモン「ジヒドロテストステロン(DHT)」に変換される
  2. 「ジヒドロテストステロン(DHT)」が毛包のホルモン受容体「アンドロゲンレセプター」と結合する
  3. 「TGF-β」という成長因子(各細胞に影響を与えるたんぱく質)などが増え、髪の成長を抑制することで毛周期が乱れる

「アンドロゲンレセプター」の感受性が強いほど、「TGF-β」等が増えて、毛周期が乱れる要因とされています。

3.男性型脱毛症ではない薄毛の要因

男性型脱毛症(AGA)は遺伝と男性ホルモンの影響が要因とされているのは理解できたのではないでしょうか。しかし、薄毛の要因といわれているのはほかにもあります。
では、男性型脱毛症(AGA)以外の薄毛の要因も合わせて、見てみましょう。

以下の要因もまた、薄毛に影響すると考えられています。

これらは生活習慣の見直しや、適切なヘアケアにより改善の余地があります。まずこうした要因から見直していくとよいでしょう。早めに対策することで、進行を遅らせることができるかもしれません。

3.1血行不良・栄養不足

髪の毛の成長には、その原料となるタンパク質をはじめとする、各種栄養素が欠かせません。

髪の毛を健康的に成長させるには、血液から「毛母細胞」という分裂して髪の毛になる細胞へ、栄養や酸素を送る必要があります。

しかし、頭皮の血行不良や食生活の乱れにより必要な栄養が行き届かないと、毛母細胞の働きが不十分となり、薄毛や抜け毛を進行させてしまうおそれがあるので注意しましょう。

3.2脂性や乾燥などの頭皮環境

頭皮に皮脂がたまっている、または極端に乾燥しているなど頭皮環境のトラブルも、注意が必要です。

頭皮は髪の毛が育つための土壌です。そのため、清潔で適度に保湿されている必要があります。また、頭皮が炎症を起こしている状態も望ましくありません。
そのため頭皮は清潔に保つことを基本として、カラーやパーマに用いる刺激の強い薬剤などにも注意が必要です。

3.3ストレス・紫外線

ストレスを感じると人の体は交感神経が優位になり、血管を収縮させます。血管が収縮した状態を長く続けると血行不良になり、頭皮環境にも悪影響を及ぼす可能性があります。

また、ストレスはホルモンバランスを崩す要因になり得るため、薄毛や抜け毛が進行するかもしれません。

強い紫外線などの外的要因もまた頭皮にダメージを与えるため、気をつけましょう。

4.薄毛の予防と対策

科学的に解明されている男性型脱毛症の要因は「遺伝」と「男性ホルモンの影響」ですが、これらは予防・防止をすることは難しい要因です。対策をする為にはAGAに有効とされている薬の服用や有効成分の塗布が効果的とされています。しかし、男性型脱毛症以外の要因はさまざまなヘアケアグッズをはじめ、育毛剤や発毛剤、頭皮環境を整えるスカルプシャンプーなどを使用し、生活習慣やストレスなどの環境要因を改善することで、対策ができます。

特に大切なのは、以下の2点です。

体の内側と外側の両方から頭皮環境を整えていくことを意識しましょう。特に、規則正しい生活を送ってストレスをためないようにすることは、髪の毛だけでなく体全体にとっても大切なことです。

4.1規則正しい生活・ストレスをためない

規則正しい生活の具体策としては、睡眠の質を高めて栄養バランスの良い食生活をする、といったことが挙げられます。

成長ホルモンは22時以降、眠り始めてから3時間以内に多く分泌されるといわれています。そのため、少なくとも4時間以上は深い眠りができるよう、寝る前のスマホ使用を控えるなどしましょう。

食生活はできるだけバランスの良い食事を心がけます。髪の毛にはタンパク質をはじめ、各種ビタミンやコラーゲンなど、さまざまな栄養素が必要です。できるだけ多くの品目をバランスよく摂るように心がけましょう。

また体を動かすなど、ストレスを定期的に発散することも大切です。

ストレスと抜け毛と薄毛の関係は?|カミわざ

4.2頭皮マッサージ・ヘアスカルプケア

頭皮マッサージは頭皮の血行を促進し、毛包へ栄養を行き渡らせやすくします。指の腹を使い、頭全体をまんべんなくもみほぐしましょう。

また、適切なヘアスカルプケアで頭皮が清潔に保たれ、髪の毛が成長しやすい環境を整えられます。シャンプーする際は爪を立てず、指の腹で毛の根元からしっかりと洗い、特にすすぎは念入りに行いましょう。

5.薄毛に関する噂の真偽

薄毛について以下のような噂をよく耳にしたことありませんか?

噂をすべて信用すると、適切なヘアケアが分からなくなってしまう場合も。髪の毛にとって良いことと悪いことについて、しっかりと把握した上で薄毛対策を進めていきましょう。

ここでは、これらの噂は一体本当なのかを解説します。

5.1海藻を食べると髪が増える?

海藻を食べることで、直接的に髪の毛が増えることはありません。ただし、海藻に含まれる成分は髪の毛の成長に必要な栄養素です。そのため、海藻を食べることで髪の毛の成長を補助することにはつながります。なお髪の毛の成長には、海藻以外の栄養素も必要です。

海藻を食べると毛が増える? | カミわざ

5.2ノンシリコンシャンプーが髪に良い?

ノンシリコンシャンプーが髪の毛に良いとされているのは、シリコンが毛穴に詰まり炎症の要因になるという噂があるからです。

しかし、シリコンは非常に粒子が細かいため、毛穴に詰まることは考えにくいとされています。ただし、シリコンは髪にツヤを与え手ざわりをよくする目的のため、すすいだ後も髪に残るものです。その残り方によってはカラーやパーマの際に液剤の浸透を妨げる可能性があります。また、頭皮に残った際の影響についてはまだわからないところもあります。ノンシリコンだから髪と頭皮に良いという根拠はあいまいではあるものの、配合しないに越したことはないという考えもあり、多くのスカルプケアシャンプーではノンシリコンが選択されているようです。

5.3帽子をかぶると蒸れて薄毛になりやすい?

帽子をかぶったからといって、頭皮が蒸れて薄毛になるという噂にも根拠はありません。ただし、通気性の悪い帽子や、頭皮に強く密着するタイプを長時間使用することで、頭皮環境に悪影響を与えることが考えられます。また、汚れた帽子を長期間使用し続けることも心配です。

帽子は清潔に保ち、通気性の良いものを紫外線の強い外出時などのアイテムとして活用しましょう。

6.薄毛で悩んだらまずは相談!

男性型脱毛症(AGA)の主な要因は科学的に解明されている「遺伝」と「男性ホルモンの影響」です。これらは予防・防止をすることは難しい要因といわれていますが、もしその兆候があったら早目のケアを試みることが大切です。そして男性型脱毛症(AGA)以外の薄毛の要因は予防や対策ができます。いずれにしても最初に抜け毛や薄毛が気になり始めたら、早い段階で対策を始めるほうがいいでしょう。

しかし結果を実感するのに時間がかかったり、最初は何から薄毛対策すればいいかわからない人もいるのではないでしょうか。
そんなときは、まずは自分の髪の毛の状況を知るきっかけや自分にあった方法で効率的に対策できる近道として、プロに相談してみてもよいでしょう。

アデランスでは、店舗やオンラインで無料相談も実施しています。公益社団法人 日本毛髪科学協会認定の「毛髪診断士®」が髪のお悩みにあわせた適切なアドバイスを提案。
男性型脱毛症の対策について何が自分に合っているのか分からない人は、まずは気軽な相談から始めて、効果的なヘアケアを試してみてはいかがでしょうか。

オンライン相談はこちら

出典:
(※1)日本皮膚科学会、男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017年版、2017年、日皮会誌:127(13) p.2764


記事初回公開日:2015年8月10日