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子供の髪と頭皮はデリケートで大人のものほど刺激に強くありません。良かれと思って必要以上のヘアケアを行ってしまうと、髪や頭皮に悪影響を与えることがあります。そのため、親が子供の正しいヘアケアについて理解し、小さい頃から習慣づけてあげることが大切です。このページでは、子供のヘアケアならではの注意点と、シャンプーの選び方、洗髪の仕方について解説しています。大切なお子様のためにぜひ覚えておいておきましょう。
■子供の頭皮は敏感。刺激を与えないように
子供の髪や頭皮は大人と比べてとても敏感です。これは頭皮が分泌する皮脂量と髪の太さが、子供と大人で大きく異なるためと言われています。加えて、赤ちゃんの髪は細いため、ちょっとしたことで切れてしまったり抜け落ちたりする場合もあります。小さな子供のヘアケアは、とにかく刺激を与えないことが大切だといえるでしょう。
時々小さい子供の髪をカラーリングしたり、パーマをかけたりすることを許容している親もいますが、子供のヘアケアの点からいえば考えものです。いくら美容のプロが注意深くカラーリングやパーマを施しても、成長過程にある子供の髪や頭皮にはダメージとなる可能性があります。幼い時期に受けた刺激は、将来髪に何らかの影響を与えるかもしれないので避けたほうが良いでしょう。
■子供へのシャンプーの仕方を見直しましょう
一口に子供と言っても、乳児期と幼児期で適した髪の洗い方に違いがあります。ここでは子供の成長度合いに合わせたシャンプーの選び方や洗う時のポイント、その他よく耳にする質問について解説します。
●乳児期の赤ちゃんへのシャンプーの仕方
上述したとおり、生後間もない赤ちゃんの皮脂量はとても少ないので、香料やアルコール成分、着色料が入っているようなシャンプーの使用は控えましょう。低刺激を重視したベビーシャンプーや、全身を洗えるベビーソープがおすすめです。
洗う時は泡を作り、頭全体を包み込むようにやさしく洗いましょう。もちろんゴシゴシこすったり洗いすぎたりはしないように。できるだけ摩擦が生じないことを意識すると良いでしょう。
乳児期にも幼児期にも言えることは、シャンプーを使った場合、しっかりとすすぐことが大切です。すすぎ残しはかゆみや皮脂づまりといった頭皮トラブルのもと。しっかりと洗い落としましょう。その際、髪に絡まって中々落ちないからといって手や爪で刺激を与えないように注意が必要です。
●幼児期の子供へのシャンプーの仕方
子供用シャンプーをいつから使えば良いか迷う方もいるかもしれません。個人差によりますが、皮脂量が少し増える1歳を過ぎた頃に子供用シャンプーを使用するケースが多いようです。子供用のシャンプーは成分的には大人のものとさほど変わりませんが、アミノ酸や弱酸性などの成分が含まれた、低刺激でマイルドなのものを選びましょう。
洗い方は乳児期と同じように、しっかりと泡を作り、指の腹を使ってやさしく刺激を与えないように洗うことがポイントです。すすぎ残しがないように気をつけましょう。
また、汗や皮脂がたまりやすい夏場であれば、1日2回髪を洗ってあげていいのですが、その場合は子供用シャンプーをさらにお湯で薄めて使うか、お湯で髪をすすぐだけでもかまいません。
●シャンプー後のケア
シャンプー後はなるべく自然乾燥で乾かしましょう。ドライヤーの熱は髪を傷めてしまうので、毛が細くて弱い子供の髪には不向きです。ただし、濡れたまま寝てしまうと、髪が膨張してダメージヘアの原因ともなります。髪が乾く時間を確保することを心掛けましょう。髪の量が多くて乾きにくい子供の場合は、タオルドライやドライヤーの冷風で乾かすことがポイントです。
●子供用シャンプーから大人用シャンプーへの切り替え時期
髪が伸び、毛がしっかりとコシのある状態になってくるとそろそろ大人用シャンプーへ切り替えることを検討し始めるのではないでしょうか。あくまで目安にはなりますが、幼稚園・保育園に入園するタイミングで大人用シャンプーに切り替えるケースが多いようです。もっとも、小学校に入学した後でも、頭皮が敏感であれば無理に切り替える必要はありません。子供の頭皮の状態に合わせて切り替えるのが良いでしょう。
●子供へのリンスやトリートメントは不要
子供にリンスやトリートメントをするかしないかで迷う方がいますが、基本的に不要です。これらは髪のすべりをよくしたり、髪の傷みをケアしたりすることでキューティクルを保護するためのものですが、元々髪に傷みが少ない子供に使用する必要性は低いといえるでしょう。
■規則正しい食生活が健康な髪をつくる
子供へのヘアケアは、何もシャンプーに限った話ではありません。健康な髪をつくるためには、バランスの良い食事を規則正しく取ることが大切です。基本的なことですが、健康な髪を生み出すためには必要な栄養素をしっかり摂取していることが前提となります。子供は好き嫌いがあるかもしれませんが、できるだけバランスの良い献立を心がけ、幼い時から健康的な食習慣を付けさせましょう。
■ストレスが与える髪への影響
その他にも、子供にストレスをためさせないことが、髪の健康という観点でも大切です。子供にストレスなんてないと思う人がいるかもしれませんが、今どきの子供たちを取り巻く環境はストレスに満ちています。
進学や勉強への期待、周囲に迷惑をかけない態度やマナーを子供に要求する度合いも昔より強いのではないでしょうか。むしろ子供の方がストレスに敏感に反応するため、自分で髪や眉毛を抜く「トリコチロマニー」と呼ばれる、ストレスが原因の脱毛症を発症することもあります。大人は自己管理ができますが、子供にはそれが難しいので、親が子供と一緒にストレスと向き合ってあげるが大切なのかもしれません。
■まとめ
今回は乳児期や幼児期の子供のヘアケアについて取り上げましたが、染髪やパーマなど、髪を刺激する割合が増えるのは10代の子供たちです。髪や頭皮の強さ自体は大人と同じところまで成長していても、やはり10代ではまだまだ体も髪も伸び盛り。髪にストレスを与えることは、決して良いことではありません。
刺激物や添加物の蓄積期間が長いほど、トラブルが起こりやすくなり、深刻になる可能性も高くなります。実際、10代ですでにパーマやブリーチ、ヘアカラーなどが原因と思われるトラブルで、悩みを抱えている人も増えているのです。
子供の健康には気を配っても、髪の健康には無関心な親が案外多いようです。まず親が正しいヘアケアの知識を持って実践し、子供にも小さい頃からそれを習慣付けてあげるようにしたいものです。何も付けなくても天使の輪ができるきれいな子供の髪を、いつまでも守ってあげましょう。
初回記事公開日 : 2015年12月1日