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食生活の変化にしてもダイエットの流行にしても、日本の生活習慣は欧米のライフスタイルに影響を受けやすいところがあります。「アメリカで起こったことは10年以内に日本でも必ず起こる」という人もいるほど。政治、経済、文化とあらゆる面で、欧米に追随することを目標としてきた歴史があるのですから、それも当然のことかもしれません。
そして喫煙に対する考え方も、そのひとつといえるでしょう。これまで野放しだった公共の場での喫煙に関してはかなり規制が徹底されるようになりました。レストランや乗り物の中では喫煙者と非喫煙者の席が分けられるようになり、職場でも喫煙者は肩身が狭くなったという声をよく聞きます。
近年タバコと病気の関連性についてもかなり研究が進んできました。やはり「百害あって一利なし」というのは明らかです。その理由のひとつとして、タバコに含まれるニコチンの中に、血管を収縮させる作用があることが挙げられます。血管が収縮すれば血行が悪くなって、髪に栄養が行き届かなくなります。そのため毛髪が発育不全を起こしやすいのです。
それでは、ニコチンの含有量の少ないタバコを吸えばいいのかというと、一概にそうともいえないのです。現在の主流はフィルターつきの紙巻きタバコですが、紙巻たばこのフィルターを通して口に入る煙=主流煙には、酸性の性質があります。
主流煙が酸性の場合、パイプや葉巻のように主流煙がアルカリ性のものに比べて、粘膜に対する刺激が弱く、そのため肺の奥深くまで吸い込む、肺喫煙率が高くなるのです。
同じフィルターつきのタバコの中でも、軽いものになればなるほど、肺喫煙率は高まります。問題はタバコそのものがどれだけ体に悪い成分を持っているかではなく、悪い成分をどれだけ体内に取り入れるかにあるわけですから、軽いタバコならいいという単純な問題ではないのです。
喫煙はできるならやめたほうが体や髪にとっていいのですが、お酒と同様、ストレスの発散になるという面もあるので、できるだけ減らす方向で考えたほうが良いです。お酒と違って体にいい作用は何もないので、タバコに適量はありませんが、どんなに多くても一日一箱以上は吸わないほうがいいでしょう。
また最近では、直接口に入る主流煙よりも、火のついたタバコから立ち昇る副流煙のほうに、より有害な物質が多く含まれていることがわかってきました。そのため、自分が直接タバコを吸う能動的喫煙だけではなく、喫煙者のそばにいるためにしかたなく煙を吸ってしまう受動的喫煙も体によくないといわれています。
煙がもうもうと立ち込める狭い部屋で一日中仕事をするような、よほど悪い環境にない限り、受動的喫煙によって毛が抜けるということはありませんが、嫌煙家の部下が愛煙家の上司に対して文句がいえずに、ストレスがたまるということはあり得ます。禁煙できないのなら、せめて本数を減らし、マナーを守って吸うようにしたいものです。
記事初回公開日 : 2015年12月7日
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