海藻を食べると、髪にいいと言われています。たしかに海藻は髪にいい栄養が多く含まれていますが、だからといって食べて髪が増えるわけではありません。海藻に限らず、バランスの取れた食事を心がけるようにしましょう。
髪も体の一部です。当たり前のことですが、体にいい食べ物は知っていても、髪にいい食べ物というのは、案外知らない人が多いのではないでしょうか。健康な体を作る食べ物は健康な髪も作る。これは当然のことですが、髪だけに絞って考えてみても、いい食品、悪い食品があるのです。
まず髪の主成分であるタンパク質。これは数種のアミノ酸によって構成されていますが、その中でもっとも重要な役割を果たすのがシスチンというアミノ酸です。シスチンが多く含まれている食品は、肉、魚、チーズ、卵。ところがこれらは同時に、摂りすぎると皮脂の過剰分泌を招くことになります。
タンパク質が髪の原料であるのに対して、髪を生成する機能を助ける栄養素として欠かせないのが、ヨードやビタミン。海藻にこのヨードが豊富に含まれていることが、「海藻を食べると毛が増える」といわれるゆえんです。
海藻が髪にいい食品であることに間違いはありませんが、いくら髪にいいからといって、それだけ食べていたのでは栄養がかたよってなんの意味もありませんし、食べたから髪の量が増えるということもありません。
もともと食品に含まれる栄養素というのは、いろいろな栄養素が互いに作用し合って初めて体内に吸収されるので、単体で摂ってもあまり効果がないことが多いのです。
薄毛に悩む人にとっては、「これがいい!」という食品は、神からの啓示のようにありがたいもの。つい極端に考えがちですが、何事もバランスが大切だということをお忘れなく。
一方、髪によくないのは、脂肪分や塩分、交感神経を刺激する食品の摂りすぎ。脂の多い肉や、汗が噴き出るほど辛い香辛料が入った料理の食べすぎ、カフェインを含む飲み物を飲みすぎるのは禁物です。
だからといって、脂抜きやコーヒー断ちをしたからといって、髪は増えません。念のため。
初回記事公開日 : 2016年1月12日