脱毛のお悩み ~私たちの取り組み~

脱毛について

脱毛症の種類と簡単な症状 主な原因

成長期性(萎縮毛性)
特に  円形脱毛症

円形脱毛症

円形脱毛症は、その名の通り、円形の脱毛斑が頭部、眉毛、須毛部などに生じる疾患です。境界がはっきりした脱毛の斑で、あちこちに出て、重症になると脱毛の斑がいっしょになって大きな範囲の脱毛になってしまうこともあります(右図)さらに悪化すると全身の毛が抜けてしまいます。

爪にでこぼこがあったり、溝のようなすじが出たりします。爪自体が弱くなってはがれやすい状態もあります。脱毛が悪くなる時期には脱毛部分のまわりの毛を軽く引っ張るだけで毛が脱落してしまう状態になる。
遺伝的素因が根本的な原因ですが、それによって毛の組織を外敵として免疫系細胞が攻撃してしまう状態(自己免疫と言います)。

写真 円形脱毛症

休止期性(棍棒毛性)
特に  男性脱毛症

男性脱毛症

毛周期(ヘアサイクル)のうちの成長期(毛が育っていくタイミング)が短かくなってしまい、本当ならもっと十分に長い成長期を進んで、十分に大きな毛の組織ができて、その結果、十分に太い毛幹(ヘアシャフト)を生じるはずが、短縮した毛周期を繰り返してしまう。そうするうちに毛の組織のサイズが小さくなり(ミニチュア化)、太い毛幹を作れなくなります(右図)通常は平均約4年の成長期が数ヶ月から約1年に短縮します。 その発症には遺伝的素因と男性ホルモンが関わります。

写真 男性脱毛症

薬剤による脱毛症(薬剤性脱毛症)
特に  抗がん剤

抗がん剤

薬剤により毛周期のうち休止期(毛の組織が休んでいるタイミング)の割合が増加し、結果として毛量の減少を引き起こします。抗がん剤ではまた違って、成長期の毛根の細胞が障害を受けて抜け毛となってします。一過性ですんでしまう場合もありますが、長く薄毛の状態が続いてしまうこともあります。この場合は男性型脱毛症と同じく、成長期の短縮がおこります(右図)。

写真 抗がん剤

外傷性脱毛症
特に  トリコチロマニア(抜毛症)

トリコチロマニア(抜毛症)

頭髪、眉毛、睫毛、陰毛などを自己抜去する行動で、他の精神疾患や身体疾患では説明できないもの(右図)。円形脱毛症に合併することも多いです。多くは小児にみられ、原因は精神的ストレスがある場合もあると言いますが、頭皮のかゆみや癖の場合もあります。

写真 抗がん剤

牽引性脱毛症

一部の毛髪を引っ張るヘアスタイルによって毛を抜去する状態を言います。

ヤケドやケガ

熱傷や外傷によって毛の組織の幹細胞(組織のもとになる細胞)が失われると毛の組織が消失し、多くは線維組織に置き換わってしまう状態となり、毛がもどって来なくなります。

その他

無毛症

主に遺伝子異常により毛の周期が動かなくなり、毛が生えなくなる状態。

監修:公益社団法人 日本毛髪科学協会 理事 乾 重樹
(大阪大学大学院医学系研究科皮膚・毛髪再生医学寄附講座 特任教授)